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出向者の人件費の負担について

出向者の人件費を負担するに当たって、出向元と出向先での適切な割合はどのくらいなのか、ここでは説明していきます。

 

この人件費の負担に関する考え方は、「分相応の応益負担」という考え方に基づいて行われます。

 

簡単に説明をすると、出向先の業務を100%行っているのであれば、その従業員の人件費は出向先が全て負担しなければなりません。

 

つまり、転籍出向であれば、以前の会社を辞めたと考えられるので、人件費は出向先が支払うことになっております。

 

ここで、出向者本人が出向先で100%業務を遂行しているのに対して、支給されている給料の大半が出向元が負担しているような場合は、出向先への無償の利益になるのです。

 

理由なく利益を差し出していると考えられ、寄附金・贈与の問題が発生するので十分に注意しなければなりません。

 

そして、労働者が出向の条件として保証されている出向元の会社の給与水準が高いという場合、その差額はどちらが負担しても良いと法律で定められております。

 

ただし、先ほどとは逆のパターンで、出向先からの戻入が出向元での人件費を大きく上回っているという場合は、出向元の営業利益といった税法上の問題が引き起こされるのです。

 

さらに、技術指導や研修を目的とする出向は、出向元と出向先での費用負担は大きく違ってきます。

 

税法上の問題をあらかじめ回避するためには、双方で原則に基づいた出向契約を締結する必要性があります。

 

税務上のポイントがイマイチ分からないという場合は、税理士に確認すると良いでしょう。

 

法人間での出向については一般的に、波風を立てないように出向を行おうとするため、出向元と同じような労働条件や待遇を保証するようにします。

 

とは言っても、受け入れる出向先の企業は経営基盤が弱いということで、人件費を負担できないことがあるのです。

 

また、押し付け出向の場合で、従業員の人件費のほとんどを出向元が負担したり、実質上は出向となっているのにも関わらず従業員との関係によって転籍とするケースが増えております。

 

この逆で、実質上は転籍出向なのに、従業員の同意が得やすいように在籍出向とするなど、出向に関する実態は企業によって異なっていると説明できるでしょう。

 

以上のように、出向といってもそのケースが定まっているわけではなく、雇用形態の変化に伴ってどんどん変動していると言えます。

 

どちらにしても、労働者のことを一番に考えるべきです。