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出向の期間に期限は設定されているの?

サラリーマンや会社員であれば、「出向の期間に期限はあるの?」と疑問を抱えるのではないでしょうか。

 

どのような目的で出向を命じられるにしても、別の会社で働くと告げられて良い思いはあまりしません。

 

「いつになったら元の会社に戻れるのかな?」「このまま出向先の会社で働き続けないといけないの?」と不安になりますよね。

 

しかし、出向期間の期限については法令等で定められていません。

 

つまり、「出向期間は1年間」「出向期間は2年間」といった制限は設けられていないわけです。

 

このように聞き、「いつまで経っても戻れないのは嫌だ」と考える方はいます。

 

出向の期間に期限が設けられていないのは事実ですが、下記のように出向命令が権利の濫用に当たるケースでは出向が無効になります。

 

 

・業務上において出向の必要性に欠いている

・出向者の人選の合理性に欠いている

・出向先での業種や勤務態度が著しく変化する

・復帰が予定されていない場合

 

 

例えば、「出向の期間は定年まで」とする場合、転籍の性質を有している出向と見なされます。

 

これは出向者の同意を得ないといけないため、会社が勝手に決めると権利の濫用として判断される可能性が高いのです。

 

つまり、出向に期限が決められていなくても、出向者の意志を無視して定年まで出向させられることはありません。

 

出向者は出向元に復帰を要求できるの?

出向の期間に関しては、出向規定等や出向命令書で以下のように定めている会社がほとんどです。

 

 

・3年間の出向を目処にする

・出向目的の達成状況によって出向期間を延長または短縮する

 

 

あらかじめ出向の期間や期限が会社の規定で定められていれば、「もう復帰できないのでは・・・」「元の会社に戻れないのでは・・・」と従業員が不安を抱えることはありません。

 

もし明確に定められていない時は、出向者は出向元に復帰の要求ができます。

 

それは出向は本来であれば出向元に復帰するのが目的なのが大きな理由です。

 

もちろん、「出向期間は3年間」と明確に定められている場合でも、期間が満了した時は出向元に対して復帰を要求できますよ。

 

逆に出向の期限が決められていない時は、「出向の目的が明確」「当該目的が達成されたと客観的に判断できる」といったケースで、出向者は出向元に復帰要求ができるわけです。

 

出向形態と復帰要求についてまとめてみた

復帰の要求ができるのかどうかは、社員の出向形態で変わります。

 

出向と一口に言ってもいくつかの種類がありますので、必ずしも「復帰を要求する」⇒「出向元が応じる」⇒「元の会社に戻れる」となるわけではありません。

 

このページでは出向形態と復帰要求について簡単にまとめていますので、何か疑問点や不明点がある方は一度目を通しておきましょう。

 

 

・退職するまで出向先で働くことを約束に出向に社員が応じた場合は、出向元への復帰が予定されていなくても復帰の要求に会社が応じる必要はない

・出向の目的が出向先での研究・技術取得の場合は、出向者の復帰要求に対して会社は応じないといけない

・出向規定等や出向命令書で出向期間が不明確で、ある程度の期間がかかる時は延長や長期化に正当性が認められるのか検討する必要がある

 

 

意外と難しい問題ですが、「出向の期間が定められていない」「出向の目的が既に達成されている」「退職するまでの約束の出向ではない」「社員が出向してから3年~5年が経過している」といった条件に当てはまっていると、出向者は出向元に復帰の要求ができます。

 

にも関わらず、引き続き出向させるようなケースでは権利の濫用として判断されますので、会社は必然的に復帰の要求に応じないといけません。

 

期間を定めずに社員を出向させると、「在籍出向の本来の目的に反している」「従業員は他社で働くことで愛社精神が失われる」「仕事に対するモチベーションが低下する」といった問題が出てきます。

 

出向者と出向元の間で裁判になった事例も何件かありますので、企業は社員への出向の規定についてきちんと考えておくべきです。

 

会社から不当な取り扱いを受けたらどうする?

出向の復帰を要求し、「会社から不当な取り扱いを受けたらどうするの?」と疑問を抱えている方は少なくありません。

 

出向の目的が既に達成されているのに復帰の要求に応えなかったり、無駄に出向期間を延ばしたりと様々な問題が発生する恐れがあります。

 

そのような時は一人であれこれと考えるのではなく、早めに労働局に相談しましょう。

 

会社側に問題があると証明するために、「やり取りした書面のコピーは全て取る」「会話を録音する」といった対策をすべきです。