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出向命令と懲戒処分について

出向命令を拒否した労働者を懲戒処分にできるかどうかは、非常に難しい問題です。

 

転籍出向であれば、本人の同意がなければ強制的に行うことはできないので、もちろん懲戒処分はできませんが、在籍出向の拒否は、業務命令違反に当たり企業の秩序を乱す行為であると考えられるので、懲戒規定に基づいて労働者は懲戒処分することは可能です。

 

しかし、実際に懲戒処分を行うという場合は、ある程度の要件が揃っていなければなりません。

 

その一つとして、有効な出向命令であるかどうかが挙げられます。

 

法的に根拠が全くない出向命令に関しては、従業員はそれに従う必要はないのです。

 

そのため、こういった場合に出向命令を拒否したとしても、その労働者を懲戒解雇することはできなくなっております。

 

また、特定の対象者に対して出向命令を行った場合は、人事権の濫用に当たるので無効となる場合があるのです。

 

これは、母親の病気といった家庭の事情などが挙げられます。

 

実際に家庭の事情によって出向命令を拒否した労働者を懲戒処分したとして、裁判になったというケースがあります。

 

そのため、企業は家庭の事情を十分に配慮して、出向命令を出さなければならないと言えるでしょう。

 

以上のような特別な理由がないのにも関わらず、出向を拒否した場合は労働者を懲戒処分することは可能です。

 

出向と懲戒処分について

出向先での違反行為によって労働者を懲戒処分する場合、出向元と出向先でどちらの企業に委ねるのか分からないという方がいらっしゃいます。

 

出向元と出向先の双方で二度処分を行うのは、一事不再理となるので有効とはなりません。

 

そのため、どちらかの企業に委ねるという形となるのですが、あくまでも労働者は出向元での命令に従って、出向先で業務を提供していることになるので、これは出向元に対する労働義務違反であると説明できます。

 

つまり、出向先での違反行為に関しては、出向元の就業規則を適用して懲戒処分を行うことができるのです。

 

とは言え、出向先で懲戒処分にできないというわけではありません。

 

出向先においても労働契約関係は成立しているので、出向労働者が企業秩序を侵害したという際は、自社の就業規則を適用して懲戒処分を行えると考えられます。

 

しかし、先ほども説明致しましたが、既に出向元で懲戒処分を行ったのにも関わらず、出向先が処分を行うことは二重処分として違法と判断されるので、注意が必要です。